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紙おむつ・軽失禁について

ここでは「紙おむつ」の使い方や処理方法等の知識から、安全・環境への取り組みまでQ&A形式でご紹介致します。

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使い方のQ&A

 
Q. 上手な紙おむつのあて方を教えてください。 一覧へ戻る

  紙おむつの種類によってあて方は異なります。パッケージに書かれているあて方をお読みください。  

 
テープ型の場合
 

  仰向けの状態で使用者のひざを立て、紙おむつをはずして、汚れが内側になるように紙おむつを丸めます。 陰部をきれいに拭き取り、乾いたタオル等でふき乾かします。体を横向きにしておしりも同じように拭きます。  

 
1.
新しい紙おむつを図のように端を折り、紙おむつが体の中央にくるように下におきます。
 
尿取りパッドを併用する場合 >>
 
男性用:テープを剥がし両面を巻き上げてサック状にし、テープを貼りつけます。サックの開口側が肌側にくるように装着します。
 
女性用:横向きになってもらい、テープを剥がしてシワにならないようにお尻に当てます。体を仰向けにして戻します。

 
2.
体をゆっくりと紙おむつの上に戻 し、折りたたんだ部分を引き出します。
 
 

3.
引き上げて、たるんだ部分を伸ばしながら、あてます。

 
4.
テープは左右対称になるように止めます。

 
5.
お腹まわりや足回りのギャザーが内側に折れ込んでいないことを確認します。

 

  漏れを防ぐためには、局部に紙おむつの中心部が当たり、 ヨレやズレがないようにします。  

 
パンツ型の場合
 

 
1.
前後を確認して(廃棄用テープのついている場合、それがお尻側にくるようにして)、普通の下着と同じ要領で、紙おむつの両脇を両手で広げて足を通していきます。
 
2.
股下部分に隙間ができないように、おへそのあたりまで十分に引き上げてください。お腹回りが左右によじれていないかもチェックしてください。

 
3.
お腹まわりや足回りのギャザーが内側に折れ込んでいないことを確認します。
 

 
フラット型の場合
 

 
1.
おむつカバーにフラット型紙おむつを当てます。このとき、おむつの吸収面が肌に当たるようにセットします。

 
2.
両足のつけ根に当たる部分を上に折り曲げます。

 
3.
折り曲げた部分をさらに折り返して、まちをつくります。

 
 

4.
両足のつけ根に当たる部分はピッタりと、中心部には、ふっくらとゆとりを持たせてください。
 
5.
おむつカバーとおむつがずれていないことを確かめてからおむつカバーを止めます。
   
 

 
Q. 紙おむつの交換頻度はどのくらいですか。 一覧へ戻る

  皮膚の健康面と衛生面から、排尿・排便後はできるだけ早く新しい紙おむつと交換し、肌を清潔に保つようにしてください。
紙おむつのみを使用する場合3~4時間おきで1日7回程度、紙おむつと尿取りパッドを併用する場合、尿取りパッドは排尿ごとに交換し、 この時、紙おむつは汚れていたら交換します。
ただし、点滴や利尿剤を使用している場合、尿量が非常に多くなりますので、本人の健康状態や排尿状況に応じて、 交換回数等を工夫することが大切になります。

排泄表を作り、紙おむつの様子を3~4時間ごとに調べて、排泄のリズムをつかむようにするのもひとつの方法です。 また、紙おむつの交換時には、褥瘡や発疹、ただれ、傷などの異常がないかもチェックしましょう。
 

 
Q. 夜間は起こして紙おむつの交換をした方がよいのですか。 一覧へ戻る

  排尿量が多くて漏れたりしない限りは、起こしてまで交換する必要はありません。介護する人にとっても、介護をされる方にとっても、 十分な睡眠をとることが大切です。
紙おむつには、一晩1枚で間に合う高い吸水性能を持っている種類の製品もあります。適宜そのようなタイプを使い分けるのもひとつの方法でしょう。
点滴をうけている等、特に排尿量が多い場合には、途中で1回(またはそれ以上)交換することが必要です。
 

 
Q. 漏れてしまいます。工夫はありますか。 一覧へ戻る

  紙おむつで漏れが生じる原因としてはいくつかの理由が考えられます。  

 
1. 紙おむつのあて方に工夫が必要な場合。使用サイズが適当でない場合
 
体重・体型に応じたサイズをお使いいただくことは、漏れを防止するために大切です。テープの位置を工夫するなど、紙おむつが体にぴったりと沿っているかを確認してください
 

 
2. 多量の水分の摂取、寒い季節、利尿剤などの薬剤の投与等で尿量が増加した場合
 
尿量の増加にあわせて紙おむつの種類を選び、また尿量の様子をみながら交換のタイミングを調節してください
 

 
3. 長時間の使用により、吸収許容量を超えたり、紙おむつがずれてきた場合
 
紙おむつが尿を吸収してずっしりと重くなって漏れが生じている場合は、1枚あたりの吸収許容量を超えている可能性があります。尿量の様子をみながら交換のタイミングを調節してください。また、動くことによって紙おむつがずれてくることもあります。テープの止め位置が適切か、股下がぴったりと体に沿っているか等、適宜使用中に確認することも大切です。
 

  紙おむつを使用する際は、テープ型紙おむつの漏れ防止の立体ギャザーを立ててご使用ください。また、足回り・股部分からの漏れの場合、足回りギャザーを外側に正しく出ているか、体に沿うようにあたっているかを確認してください。

尿取りパッドを併用する場合にも、テープ型やパンツ型の漏れ防止立体ギャザーをつぶさないように、内側におさめてご使用ください。

在宅での介護の場合のように、介護者の都合で長時間交換できない場合や、特に尿量の多い人の使用を想定した夜用や長時間用というパッドがあります。これらの商品は、複数回数の排尿に対応した商品で吸収量・寸法ともに通常のパッドに比べて大きく、漏れに対して安心して使える商品です。
 

 
部位別のチェックポイント
 
 

漏れの部位

テープ型紙おむつ

パンツ型紙おむつ
太もも部分に隙間ができないよう、ウエストテープを引き上げるようにして止め直してみてください。
前後をまちがえて履いていないか確かめてください。

腹側
からだの左右の中心に紙おむつを合わせてください。

ヒップサイズを目安にサイズを確認してください。

男性の場合、尿取りパッドを併用すると効果的です。

衣類や下着が紙おむつと体の間に挟まっていないか確かめてください。
ウエストサイズを目安にお腹に余分な隙間ができないもの選びます。

男性の場合、尿取りパッドを併用すると効果的です。

衣類や下着が紙おむつと体の間に挟まっていないか確かめてください。
背中
ウエストまわりにギャザーなどがある商品を使用し、隙間ができないように当ててください。

もう一度サイズを確認してください。

衣類や下着が紙おむつと体の間に挟まっていると漏れることがあります。確かめてください。
ウエストサイズにあったものをお使いください

衣類や下着が紙おむつと体の間に挟まっていると漏れることがあります。確かめてください。
両足のもものつけねにそって紙おむつを当て、足まわりのギャザーは立てて使用してください。

尿道口に紙おむつを密着させ当ててください。
尿道口に紙おむつを密着させるように少し腰部を引き上げてみてください。

尿取りパッドを併用する場合は立体ギャザーの中にパッドをおさめるようにして使用してください。
 

 
Q. パッドを併用していて紙おむつは汚れていません。何日くらい使えますか。洗うことはできますか。 一覧へ戻る

  紙おむつが汚れていなければ繰り返し使用はできますが、肌に直接触れ下着と同じ状態になりますので、衛生面からもあまり長く使うことは避けてください。 また、紙おむつは洗濯できません。  

 
Q. 尿取りパッドはどのように使えばよいのでしょう。 一覧へ戻る

  尿取りパッドは、パンツ型、テープ型、フラット型などの紙おむつと併用使用を想定した製品です。 もちろん尿失禁量の少ない場合、パッドと普通の下着でもご使用可能ですが、尿失禁量の多い方や、長時間使用される場合、 紙おむつに比べ吸収量・吸収面積が限られていますので、テープ型、パンツ型の紙おむつと併用されることをお勧めいたします。

尿取りパッドは「広げて使うタイプ」が一般的ですが「じょうご型に組み立てて使うタイプ」「袋状タイプ」また「パンツ型紙おむつの中で使うタイプ」があります。それぞれの使い方は各商品パッケージの「使い方」を参考にしてください。
 

 
一般的な使い方
 
尿取りパッドを広げ、紙おむつの吸収体部分に重ねて使用します。おむつ交換の際には紙おむつが汚れてなければパッドのみ交換します。
特長:排尿の処理がしやすい
 

 
男性用パッド
 
尿取りパッドをじょうご形に折り曲げ、性器を包むようにして、紙おむつの吸収体部分に重ねて使用します。 じょうご型に折り曲げるためのテープが付いている男性用のパッドもあります。交換の際には紙おむつが汚れてなければパッドのみ交換して使います。
特長:局部をしっかり包み込むので漏れにくい。お尻を持ち上げずに交換できる。
 

 
パンツ型紙おむつと併用するタイプ
 
パンツ型紙おむつの中の入れて使用します。男性と女性では尿の吸収する場所が異なるため、向きを変えてあてるものもあります。


 

 
Q. 尿取りパッドと紙おむつを併用していますが、肌には問題ないのでしょうか。 一覧へ戻る

  特に問題はありません。
尿取りパッドの有効的で経済的な使用方法として、フラット型、テープ型の上に重ねる併用使用があります。 肌に対しては、尿取りパツドの交換頻度を高めることがケアの質を高めるポイントです。
 

 
Q. 経済的で便利な使い方はありませんか。 一覧へ戻る

  尿取りパットとテープ型紙おむつやパンツ型紙おむつを組み合わせで使い、本体のテープ型紙おむつが汚れていなければ尿取りパットだけを交換します。この場合パットの交換だけで済むので取換えが簡単で、おむつ交換時の介護者の負担が軽くなります。また、紙おむつよりは尿取りパッドの価格が安いため経済的です。  

 
Q. 失禁用パッドはどう使えばよいのですか。 一覧へ戻る

  軽度の失禁がある方の尿吸収パッドで、下着にテープなどで直接つけて使用します。男性用、女性用と分かれているものもあります。 パッドの厚みは薄く、直接下着に装着して使用するので、服の外観を損なうことが少なく、活動を妨げるようなことはありません。 ただし、尿の吸収量は多くないので、失禁量が多い時にはパンツ型紙おむつの使用をお勧めします。

自分の失禁の程度を理解して、見合った吸収力のある商品を選ぶことが大切です。
 

 
Q. 床ずれを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。 一覧へ戻る

  床ずれはなによりも予防することが大切です。そのために次の点に注意しましょう。  

 
体位を変える
 
寝たままや、車椅子で過ごす時間が長い方は、頻繁に、少なくとも2時間ごとに、身体の向きをかえることが効果的です。
 

 
身体にかかる圧力を少なくする
 
普通のマットレスや、むきだしの椅子に直接身体を置くよりは、空気マットレスや、専用のパッドなどを敷くことにより、 身体の表面(皮膚)にかかる圧力を減らすことができます。
 

 
十分な栄養補給
 
食事には十分配慮し、ビタミンやプロテイン(蛋白質)や補助栄養剤を必要に応じて補給してください。
 

 
十分な水分摂取
 
寝たままなど体の自由がきかない状態で過ごしている場合、自分で好きな時に水分をとることが難しくなりがちで、 しばしば水分が不足気味になります。水分を十分摂取することが、健康のためにも床ずれの予防のためにも欠かせません。
 

 
排泄のケア
 
腰部、臀部の床ずれには、紙おむつの交換を早めにして、おむつ内の湿度上昇を抑える事も効果的です。 おむつのバックフィルムに通気性を付与することにより、おむつ内湿度の上昇を抑えることができるものもあります。 失禁により皮膚についた排泄物(大小便)を水で洗い流します。失禁のある方のお肌を清潔に、また乾いたすべすべの状態に保つことは、 床ずれの予防に役立ちます。また、紙おむつが腰の部分で折り重なっていたりすると、圧迫の原因にもなりますので、注意しましょう。
 

 
コミュニケーション
 
身体にかかる圧力を減らすためには、ご本人自身にも、できるだけ自分で体を動かそうという気持ちが生まれるように導くことが大切です。 周りの方が話しかけるなど、積極的にコミュニケーションをとるように心がけてください。
 

 
参考「床ずれとは」

床ずれは正式名を褥瘡(じょくそう)といい、欧米では圧迫瘡(pressure sore)と呼ばれています。自分で体位変換を行うことができない状況で、 身体のある限られた部分が長時間圧迫され(限局性圧迫)、その部分の血行が悪くなり、ひどくなると組織が壊死するものです。 特に人体の部分で骨が皮膚表層にあるところにできやすく、仰向けに寝ている状態では、腰(仙骨部付近)を中心に、 頭(後頭部)、肩(肩甲骨付近)、肘、かかと、臀部などが発生しやすい部位です。

 

 
Q. おむつかぶれを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。 一覧へ戻る

  おむつかぶれの原因は単一ではなく、健康状態、季節的要因、紙おむつの交換頻度などさまざまな要素が関与しています。 予防には、おむつがあたっている部位のお手入れと、健康保持に留意することが大切です。おむつに関連した要素については次のようなものがあります。  

 
1. 肌をぬれたままにしておかないこと。おむつは表面のぬれにくいものを使用し、排尿後はできるだけ早く取り替えてあげましょう。 おむつ内部の湿気を外に逃がす、通気性のある紙おむつの使用も効果的です。

2. おむつは、表面が滑らかでやわらかいものを使うこと。(布おむつも軟らかい素材を使っていますが、使用と洗濯を繰り返しますと繊維表面が変化し、 ぬれてふやけた皮膚表面にごく小さな傷をつくり、おむつかぶれになりやすい状態を生じることがあるといわれています。)

3. 排尿、排便後は、できるだけすぐにおむつを取り替えてあげましょう。またその時、肌を清潔にすることが大切です。 1日に1回はお湯を使っての陰部を洗う陰部洗浄を行なうとよいでしょう。やわらかいガーゼなどをぬるま湯で軽く絞り、 尿路感染を防ぐために腹側から尻側に向かって拭いてください。
 

 
Q. おむつを嫌がります。どうしたらよいでしょうか。 一覧へ戻る

  一般に排泄の世話を受けると、プライドが傷ついて落ち込んだりしがちです。できるだけ自力で排泄しやすいよう環境を整えたり、 衣料も脱着しやすいものを選びましょう。ベッドサイドに尿器(便器)を置いたり、ポータブルトイレを利用するという方法もあります。 出きるだけトイレ誘導を行って、自分の力で排泄ができるよう、その時々の状態や気持ちに合わせた方法を考えてください。 紙おむつには、下着感覚で自分で上げ下げできるパンツ型紙おむつや、下着と一緒に使える軽度失禁用パッドもあります。 できるだけ心理的抵抗感の少ないものから使用してみてください。  

 
Q. 自分で排泄できますが時々失敗します。紙おむつを使った方がよいのでしょうか。 一覧へ戻る

  基本的には、紙おむつに頼らず、できるだけトイレで排泄することをおすすめします。 しかし、下着をぬらしたり汚したりすることは、やはり本人にとってもショックなことです。このような時は、軽度失禁用のパッド類など、 装着に抵抗感の少ないものを利用したり、自分で上げ下ろししやすいパンツ型紙おむつを使用するなど、 できるだけ自分の意志で排泄、交換しやすい工夫をしてあげてください。

外出時の不慮の尿漏れ等を防ぐためには、下着に軽度失禁用パッドを組み合せて使うと、心理的な安心感を得ると同時に、 漏れた尿の吸収ができ後始末も容易になります。尿失禁製品は、テープ型やパンツ型の紙おむつ、様々なタイプの尿取りパッドなどがありますので、症状にあわせて 製品を選んでください。また、専門医を受診し適切な治療を試みてください。
 

 
Q. 排泄の自立のためにはどうすればよいのでしょうか。 一覧へ戻る

  最近では上手に紙おむつを利用することによって、お年寄りが生活を楽しむ意欲を取り戻し、寝たきりゼロにすることに成功した施設の例も報告されています。

本来人間は、活動しながら体や精神のバランスを保っています。加齢とともに人間の機能や能力は衰えていきます。 できるだけ周囲の支えで、自立して生活する意欲を持ってもらうことが大切です。

一般に、トイレ→尿(便)器→おむつという順番に自立性は低くなると言われており、排泄の自立は非常に重要なことです。 おむつを使用すると、排泄の心配や、おむつの使用を周囲に知られたくないという気持ちから、体を動かすことや外出に対して消極的になりがちです。 しかし排泄パターンをよくとらえ、それにあった工夫のされた紙おむつを上手に使えば、むしろこの自立を妨げることは少なくなります。
なお、尿失禁の管理では、種類や程度にあわせたケアがプランできるように、尿失禁について正しく理解することが必要です。 たとえばトイレまで誘導したり、パンツ型紙おむつや、失禁用パッドを使い、少しでも自力で排泄できるようにすると、 ご本人も介護する方も気持ちの上で楽になるでしょう
(選び方の目安については Q1参照)
 

 
Q. パッド類を切って使用することができますか。 一覧へ戻る

  切って使用できる商品もあります。まず商品パッケージを確認してください。
明記している商品以外は原則として切って使用されることはお勧めできません。パッド類を含め、一般的に紙おむつは綿状パルプ、高分子吸水材、 吸収紙から成る吸収体を表面材と防水材でサンドイッチし、吸収体が外側に飛び出さないように接着剤で接着されています。 これを途中で切ってしまうと切り口から吸収体の綿状パルプや高分子吸水材が外に出てしまい、本来の吸収能力を損ない、もれの原因になります。 また、綿状パルプや高分子吸水材がこぼれ周囲を汚してしまうことがあります。